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メダロット2
 メダロット2は、初代メダロッからト一年後に発売されました。
 私はグラフィックから完全に外れ、シナリオのみを担当することになりました。前作からシナリオのボリュームを大幅に増やしたため、グラフィックに手が回らなくなったためです。
 容量が前作から四倍に膨れ上がり、人員も開発期間も大幅アップとなった理由の一つには、もちろんメダロットやメダルの数と種類が増えたというのもありますが、最たる理由はやはりシナリオのボリュームアップにありました。……つまり、半分以上は私のせいではないかと思われます。
 とりあえず前作の経験から、白玉くんにはシナリオを完全に離れてもらい、ディレクター業とシステム製作に勤しんでもらうことにしました。
 メダロット2は白黒、カラーGB両対応という部分で、結構色んな苦労もありました。

 メダロット2の物語は、前作の七年後。
 主人公は、前作のヒカルから、チョンマゲがトレードマークのイッキに。
 前作の主要キャラであるヒカル、キララ、ナエ、メダロット博士らは、健在です。
 そして、メダロット2〜4までレギュラーとして定着するキャラたちが、ここに揃います。
 前作のキャラ名は全て「米」縛りで、ほとんどのメインキャラ名はすでにボンボンさんサイドで決定していました。ところがメダロット2で登場するレギュラー達は全て、「酒」縛りとのお達しがあっただけで、名前はすべてこちらにお任せというものでした。そこでシナリオ担当の私が名付け親となり、ほぼすべてのキャラに名前を付けていきました。……ヒロイン1の「アリカ」という名前がどこから出たのか、私自身解らなくなってしまいましたが。
 メダロットがアニメ化されたのは、メダロット2の発売直前です。
 アニメと設定が違うキャラもいましたが、割とうまくリンクしていたのでは? と、思っています。
 メダロット(無印)のアニメは、本当に名作でした。

 それではダメロット通信1/22/2の「合同企画会議にヘンなもの持って行っちゃって恥ずかしかったの巻」をどうぞ。
天領 イッキ(&メタビー)
主人公の男子。
取り立てて熱血漢でもなく、どこか冷めてる小学四年生。

 お友達がすべてメダロットを買ってもらっているのに、イッキだけが買ってもらえてなかったというバックボーンに哀愁が漂います。
 初登場のメダロット2で女装に目覚めます(誤)
甘酒 アリカ(ブラス)
ヒロインその1・イッキの幼なじみ。かなり気性が荒く、イッキを完全に尻に敷いている。
ジャーナリストを目指し、いつもスクープを追っている。

 実のところ私は、メダロット2以降はシナリオの製作とデバッグに忙しく、ロボトルをほぼ一切やらないまま現在に至っております。
 そんな私が、ロボトルにおいて「アリカがイッキのライバルという設定のコウジよりはるかに強敵」という噂を耳にしました。もしそれが本当ならば、ストーリーがおかしな方向に……。
 それもこれも、私と白玉くんとのズレが成せる業ですね。
辛口 コウジ(スミロドナッド)
隣町のメダロポリスに住む、お金持ちのお坊ちゃん。熱血漢で先走るところがアリ。愛するカリンを守るため、今日も明日も東奔西走。

 ゲームでは熱血漢のヒーロータイプ。アニメではクールな二枚目タイプ。
 前作の主人公、ヒカルのライバルでやはりお金持ちのユウキがクールな二枚目タイプだったので、ゲームではあえて熱血漢にしたのでした。
 あと、アニメには登場していないハチロウがイヤミなタイプの金持ちお坊ちゃまだったからというのもあります。
 見た目に合っているのはクールな二枚目の方だったんですけどね。そのギャップもまた一興ということで。
 ちなみにリーダー機に「ネオさくらちゃん」を持ってきたのは、私ではありません。白玉くんです。
純米 カリン(セントナース)
ヒロインその2・コウジと同じく、お金持ちのお嬢様。おっとり天然ボケの、心優しき女の子。

 できるだけ「毒」は入れず、天使のようなキャラになるよう努力してみたつもりです。
 私の場合自分で気をつけておかないと、いつの間にか「一見純真無垢の天使だが、心の内に悪魔の貌を持つ少女」とかにしてそうなので。
キクヒメ(ペッパーキャット)
 スクリューズのリーダー。ヒロインに非ず。

 イッキ達の前に度々立ちはだかっては、返り討ちにあうやられ役です。
 アニメでは手下たちから「おやびん」と呼ばれ、江戸っ子口調な感じでしたが、ゲームでは手下たちから「あねご」と呼ばれ、その口調も「あたしぃ〜、だけどぉ」といった間延びしたものです。
 でもやってることや立ち位置的なものは、そんなに差異がなかったかもしれません。
イワノイ
 スクリューズのbQ。自称天才ハッカー。

 やばくなると、いつも「あねごー」と、キクヒメに泣きつかせてました。
 ゲームではイッキたちと連絡を取るための必須アイテムとして、毎回トランシーバーを出してきます。
 今更ですが、連絡手段にトランシーバーって……。せめて携帯かメダロッチにすべきだったのではないかと思うのですが、私はなぜか毎シリーズ頑なにトランシーバーを必須アイテムとして登場させてました。そして不思議と最後まで、誰にも突っ込まれることはありませんでした。ですので今、自分で突っ込んでおきます。
カガミヤマ
スクリューズのbR。潔癖性の力持ち。

 普段は洋服が汚れることばかり気にしている彼ですが、時折気の利いた風なコメントを口にしてみたり。
アガタ ヒカル
前作の主人公。
今作では、「コンビニのお兄さん」の他、「快盗レトルト」としてカレーに登場。

「怪盗」ではなく「快盗」ということろがポイントらしいです。ゲームではひらがな表記でしたのであまり関係ないですが。 
 イッキにメタビーを一式押し付けて、メダロットの世界に引き込んだ張本人です。
 コンビニのバイトをしつつも「いいんだよ。特にやることないしね」と仕事をさぼりまくり。高校を卒業したあと、ぷーになっている模様……?
 ゲームのレトルトテーマソングはなぜか演歌調。
「彩りましょう 食卓を みんなで防ごう つまみ食い 常温保存で愛を包み込む カレーなるメダロッター 快盗レトルト ただいま参上!」というあのセリフは、白玉くんが考案したものです。私はこのようなセリフを思いつくセンスを持ち合わせておりません。
秋田 キララ
 前作のヒロインその1。今作ではメダロット社でアルバイトをしている他、「快盗レトルトレディ」として華麗に登場。

 メダロット社でOLをしている模様。かたやメダロット社のOL、かたやコンビニ店員……ヒカル、いつか見捨てられないかと心配です。
アキハバラ ナエ
前作のヒロインその2。メダロット博士の孫。

 天才的頭脳の持ち主である彼女は、この若さですでに博士となって研究所に詰めています。
 今もヒカルに抱く恋愛感情のようなものを書こうとしたのですが、ある方から「小学校のときの恋愛を引きずってるなんて」と指摘されたので、やめました。
 よってメダロット2以降、シリーズを通じてヒカルとの絡みがほとんどありません。
メダロット博士
メダロット界の権威。イッキ達をサポートしてくれる。

 あの斬新な髪型は毎日のお手入れが大変そうですよね。
ヘベレケ博士
世界征服でピチピチギャルにもてもて†……をモットーに、今日も悪事に励むおじいさん。

 メダロット博士とは、かつての級友であったという設定です。
 ラスボスとしてイッキたちの前に立ちはだかりますが、悪の権化というよりメダロット博士とは考え方が違う研究者という印象があります。長生きしてください。
サケカース
悪のイタズラ集団、ロボロボ団のボス。

 幹部のメンバーは変わったものの、全身黒タイツに、サングラス、そして頭に生やした二本のアンテナは、健在です。
 アニメでは、27歳という設定だったように思います。
 いい感じに大人になってしまった人ですね。
スルメ
ロボロボ団女幹部。

「おーほほほほ!」という高笑いと共に現れ、逃げ去って行く。高飛車で光り物やブランドものが大好きです。
 ですがロボロボ団にいる限り、彼女の「ブランド大作戦」が報われる日は来ません(断言)。
サラミ
ロボロボ団幼稚園幹部。

 男ですが、一人称は「あたち」で語尾は「でしゅ」。ロボロボ団幹部の中では、一番の切れ者としました。
 なぜ男なのに「あたち」なのか? そこにはとある事情がありまして。
 私は始め、「女の子」を想定してデザインを依頼していたのですが、上がってきたデザイン画が男の子だったのです。
「まっ、いーか」ということで、そのままになりました。
シオカラ
ロボロボ団老人幹部。頬に傷ある大男。子ども嫌いという設定(もちろん、サラミのことも気にくわない)。

 見た目でいくなら「大男幹部」であるべきなのに、なぜ「老人幹部」なのか? そこにはとある(ry
 それは、デザイン依頼段階では「老人」だったのですが、上がってきたデザインが大男で、結局そのままになったのでした。
Mr.うるち
ロボトル協会公認レフェリー。ロボトルが始まるやいなや、どこからともなく「合意と見て、よろしいですか?」と、現れる謎な存在。

 ウワサではGガンダ(自主規制)
ひよこ売り
ひよこ売ってるおぢさん。

 使用メダロットはなぜか女性型。
 初代メダから出てます。
○メダロット三原則
 私は当時、仕事の合間を縫って故・アシモフさんの著書を読みふけっていました。
 言うまでもなく、メダロット三原則はかの有名なロボット三原則を元に作っています。

 メダロット三原則は、
1.人を傷つけてはいけない
2.人に危険が降り掛かるのを見過ごしてはいけない
3.上記二項に反しない限りで自分の身を守る
 ……というものです。

 コンビにでも買える子供用玩具という扱いのメダロットにメダロット三原則を加えると、話が重くなるだろうと思ったので、三原則を加えるかどうか結構迷いました。
 迷いつつ加えたことによって、アニメのような「怒ったメタビーがイッキにガトリング乱射」といった軽いノリは望めなくなりましたが、三原則のあるちょっと重めの路線もありなのかな、と自分を納得させました。
 私は私が関わった4までのメダロットシリーズを通じて、「メダロットが本当に実在していればどんな問題が起こるだろう、そしてそこにどんな葛藤と物語が生まれるのだろう」などということを考えつつ、シナリオを書いていました。
 私が重点を置いたところは、「人間とメダロットは異質」というところです。生物と、機械。有機物と、無機物。炭素生命体と珪素生命体……。そういった異質なもの同士が一緒に過ごすには、ルールが必要なのではないかと考えたのです。
 アシモフさんの「我はロボット」シリーズでも、ロボット三原則を中心に物語が展開していました。三原則があるかないかで、ずいぶんと世界観や雰囲気が変わるものです。
……まあそもそも、メダロットが実在していたら子供の玩具では済まないでしょうけども。三原則があったって、きっと危険極まりない兵器でしょうからねぇ。
 現実世界における「お友達ロボット」の課題はまだまだ多そうです。
○フユーン墜落
 元々ダークな世界が大好きな私は、メダロットが小学校低学年から高学年がメインターゲット層であることを聞き、かなり戸惑いました。
 こんな私がメダロットのシナリオを担当することになり、私は自らの思考を矯正する必要に迫られました。

「この世界では、死者は一人も出してはならない」
「誰も不幸になってはならない」
「この世界には、本当の悪党は存在しない」

……という絶対のルールを自ら作り、守るために、悪戦苦闘をしていました。
 何せ、それまでの人生でどっぷりダークな世界に浸かりきっていた思考を矯正するのです。自分の無意識との戦いでもありました。
 自分で気をつけるのはもちろんのこと、ついダーク方面に流れがちのシナリオを、指摘してもらい、直していったのです。
 実際私は、「浮遊要塞フユーン」に住むメダロット達を、あわやというところで全滅させるところでした。しかも指摘されるまで、そのことに自分では気づかなかったのですよ。

 こんな私ではありますが、メダロットのようなライトな世界が嫌いだ、と言うわけでは決してありません。ただ単に私が、ダークな世界の住人であるというだけのことです。
 でなければ、メダロットにこれほどの愛情は注げなかったことでしょう。
○幻のシナリオ
 メダロット2には、幻のシナリオが存在しているのです。
 いつもメダロットを創る際には、まず各社の面々があつまる合同企画会議のようなものでストーリーの大筋や設定等を大体決定してから、シナリオ製作に取りかかる、という段取りになっていました。
 そこで決定した事柄を元に、私が一ヶ月かけてシナリオを完成させつつあった……のですが。なんと、それが次の企画会議ですべて没になってしまったのでした。
 理由は、「設定がいただけないから」というものでした。
 前回の会議で決定した設定に沿ってシナリオを書いていた私は、思わず呆然。
……ともかくそんな訳で、メダロット2には、ついに日の目を見なかったシナリオが存在しているのです。
 今更読んでみたい、などと思われる奇特な方はいらっしゃらないでしょうけれども。
○スクリューズのフルネーム
 アニメ制作サイドの方からかつて、「イワノイの名字を教えて欲しい」という要請があったのですが、その問いに対して私は「イワノイが名字じゃないんですかねぇ?」などと答えてしまうのでした。
「酒縛り」という名前の制限があるために、考えるのが少々面倒だったのですよ(スクリューズがフルネームでないのは、そのせいです)。
「そちらで適当に考えてくださって、結構ですよ」と付け加え、さて、どんな名前で出るのだろう? と思っていたのですが。アニメには、結局「イワノイ」としか、出ていなかったのです。
 その後アニメを見続けていると、キクヒメも、姿を見せないママから「キクヒメちゃん」と呼ばれていただけでした。
 私としても、「イワノイ」「カガミヤマ」は名字で、「キクヒメ」は名前だろうと考えていたので、アニメの方と考え方が一緒だった、よかった、などと思ってました。
……つまり、名前を考えるのは結構大変ってことです。はい。
○スタッフinメダロット
 白玉くんのことですが、彼のこの「白玉」という呼び名の由来は、社内のみんなで某パワプロを遊んでいる際に、彼が自分の名前を「しらたま」と入力したことに由来します。
 その日から私は彼を白玉くん(または「しらたまん」)と呼び続け、更にメダ2のシナリオにも「しらたま」として出演させたので、すっかりこの呼び名が定着したのです。
 この白玉くんときたら、凄まじく面白いキャラクターをしていたので、どうしてもシナリオに出演させたくなったのです。
 メダロット2〜4に関しましては、私の独断でそういうことが可能だったのです。
 製作スタッフをシナリオに出演させると内輪受けになりがちなので、私はあまりこういうことに積極的ではありません。ですが白玉くんならば十分にキャラが立つと考えたのです。
 本人も嫌がってはいなかったようです(たぶん白玉という呼び名も)。
 いざ白玉くんに出てもらうとこれがクセになる面白さで、私は調子に乗ってゲーム世界の彼をどんどん酷い目に遭わせてみました(ゲームを作る上において白玉くんとは本気のぶつかり合いが多かった中、それでストレス発散していたというわけでは決してありません)。
 本人がいたく希望していたナエとの絡みもたくさん入れてあげました。ナエと脳内結婚した彼が、メダロット博士を「おじいさん」呼ばわりして研究所をクビになり、廃工場でホームレス状態になったりしたのもいい思い出です。ちなみにナエは彼にとって理想の女性像だった模様です。
 白玉くんの他に出演しているスタッフで、最も出現率が高かったキャラクターは、何と言ってもカワムラー氏です。
 カワムラー氏に関しましては、スポンサー様からの出演依頼がありました。
 お金を出してくださるところからのご依頼とあらば、「ここは譲れない」という断固とした思いや、やむを得ぬ事情でもなければ基本的に断りません。
 幸いにして、カワムラー氏もキャラの立った方だった上に、ゲーム内でどんなに酷い目に遭わせても苦情の一つもおっしゃらなかったので、私は密かに楽し(自主規制)
 他に私の独断で出演してもらったスタッフと言えば、初代メダロット以前からのお付き合いだったプログラマーの北玉さんです。もちろん、「北玉」というのは本名ではなく、白玉くんに合わせて名前に「玉」をつけただけの話ですが。
 ちなみに、「みる(私)さん自身はシナリオに出ないんですか?」と白玉くんに問われ、まったく自分を出す気がなかった私は、「私はミルキーとして出てるから」と答えて誤魔化してました。
 白玉くんは私の答えに納得してくれたようでしたが、私とミルキーを繋ぐものは何もないのです(HNはミルキーからきていますが)。
……あっ。ミルキーは「美少年をさらう」というショタ属性の持ち主でしたが、私にショタ属性はありませんのでっ。

 そ、そんなこんなで、発掘したダメロット通信を載せておきます。
○カツカレーうどん定食
 これは、会社帰りによく寄っていた定食屋さんにあったメニューです。
 カツカレーうどんに御飯茶碗が付いているというもの。
 私にはとても食せないボリュームだったので、目の前で愉快な仲間たちが食べているのをよく見学しておりました。
 そしてある日、私が「カツカレーうどん定食」のことを北玉さんに話すと、「カツカレーにうどんが付いているのか、カツカレーうどんにご飯が付いているのか」という疑問を口にされたのです。
 その時の北玉さんの言い回しが面白かったので、ほぼそのままで私がイッキに喋らせてみました。
 ちなみに、他にも「クリームシチューうどん」というメニューがありました。私にチャレンジする勇気はありませんでしたが、これもなかなかいけるとのお話でしたよw
 まだあるのかなぁあのお店……。
○恋愛イベント
 メダロット2は、1の時と同じくボンボンさんの方で決定したシナリオソースを私が繋ぎ合わせ、ストーリーを作っていきました。
 メダロット2では私はディレクターではなかったので、三社合同企画会議には出席しておりません。ですから、具体的に何がどのようにしてシナリオソースが決まっていったのかという詳細までは解りませんでした。
 会議に出席していたのはこの時ディレクターだった白玉くんでしたので、私が受け取ったシナリオソースには、彼が作ったものも入っていたのかもしれません。
 特に、イッキ初登場でいきなり起こる「スカートめくり事件」などは彼が好きそうなネタです。そういったネタにまったく抵抗がなかったわけではありませんが、ともかく私は渡されたシナリオソースがどんなものであれ、それらをすべて採用してシナリオに組み込んでいっておりました。
 ヒロインであるアリカ、カリンの恋愛イベントと恋愛エンディングもまた、その一つです。
 とはいえ、「二人との恋愛イベントを作り、アリカED、カリンED、その他EDを作ること」というくらいの大まかなソースがあるだけだったので、イベントの詳細や台詞などはすべて私の手に委ねられていました。
 当時の私は恋愛物にほとんど興味はなく、そういったものを書くことも読むこともほぼありませんでした。今で言う萌え系にいたっては、まったく眼中になかったといってもいいかもしれません(今はちょっと興味ありまス)。
 そんな私が書いたものが、まともな恋愛イベントになっているかどうか、今でもちょっと心配です。
 果たしてヒロインはちゃんとヒロインしていたのでしょうか……?
 男性プレイヤーの皆様がときめけるものになっていたならばいいのですが。
 ちなみに私はどちらが好みかというと……優柔不断なので選べません。むしろ「どっちも」というEDもアリかな〜なんて。これだから私が恋愛ゲームをやるとバッドエンドなのでしょう。
 それにしてもイッキたちは小学生なんですよねぇ。うーむ。
○コーダイン誕生秘話
 浮遊要塞だからフユーン、古代王国だからコーダインという、メインキャラクターたちの名づけで脳が疲れていた私のネーミングセンスは置いておくとして(リテイクはかかりませんでした)。
 当時、RPGツ●ールのコンテストが開催されていました。
 ある雑誌にア●キーの方のコメントが掲載されていて、そこに「応募作品でダントツに多いのは、『異世界から召喚された勇者』という設定です」といったことが書かれていたのを目にした私は、あえてイッキを「異世界から召喚された勇者」にすることにしたのです。
 使われまくっているらしきネタを、私が自分のテイストで書くとどうなるのか……私はふと、そんなことを考えたのです。
 最初は、勇者として召喚されたはずのイッキが言われ無き罪で濡れ衣を着せられ、箱詰めされて海に流される、みたいな展開を考えていましたが、白玉くんに悲惨すぎると指摘され、はっとしてシナリオを書き直しました。本人としてはライトなノリを目指しているつもりなのに、誰かに指摘されるまで悲惨なストーリー展開にまったく気づかないというのも考え物です。
 そして私は、やはりRPGツ●ールのコンテストでダントツに多かったらしい、ファンタジーの世界設定というものも取り入れてみようと思いました。よって古代王国という設定のコーダインを作ったのです。
「異世界から召喚された勇者」「ファンタジー設定」と揃えば、それだけでコンテスト落選するかな〜なんて考えていた私は、やはりどこか捻くれているのでしょうか。
 そんなコーダイン誕生秘話でした。